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一般社団法人
Lazo
一般社団法人 Lazo
お互いの違いを尊重し合える優しい世界
代 表 理 事 ご 挨 拶
はじめまして。
一般社団法人Lazo(らそ)代表理事の河本直(かわもとなお)と申します。
当法人ホームページへお越しいただき、ありがとうございます。
性同一性障害当事者(手術済み。女性から男性へ性別変更済み)、女性時代も男性(恋愛対象が女性の男性)と結婚し、その際一児を授かり、性別変更後も女性(恋愛対象が男性の女性)と結婚し現在に至ります。
私が学生時代だった頃は、今のようにLGBTQという言葉自体もなく、生きにくい状態が続いていました。
いじめや無視などもありました。
女性の体なのに頭の中(意識)は男性である少数派の私は、「一般的(多数派)」ではない、だから私は、一生幸せにはなれないと思い、一般的な人(普通とは)ということをひたすら追い求めてもいました。
ただただ幸せになりたくて、私の中にある男性の部分を消し、一般的である体の性に合わせること、つまり女性として生きれば普通の幸せが手に入ると思い、一般男性と結婚をし、子どもを一人産みました。
この過去を持っている私は、性同一性障害であると診断された後、同じ性同一性障害の方々から、
「あなたは性同一性障害ではない」
と言われたことがありました。
それは、子どもを元の性のままで持たない人の方が、性同一性障害の中では一般的(多数派・当たり前)だったからです。
性同一性障害という「少数派」の世界の中でも、多数派の考え方である「子ども(我が子)がいない(もたない)」ことが当たり前であり、そうではない人のことは、否定や排除してしまうのだなとこの時に感じ、学生時代のことを思いだし、嫌な感じがしました。
また、「性別を変更したことにより、本当の自分自身に戻ること(還ること)ができた」とも性同一性障害の当事者からよく聞いていましたが、この言葉にも私は違和感がありました。
なぜなら、性別変更をする前の自分自身が辿ってきた道のり(過去)が「なかった」ことになるなと気づき、感じていたからです。
確かに私は、この性であることにより、他の人が悩まなくてもいいことで悩み、恨み、辛い経験もたくさんしました。
でも私は、この性で生まれてきたからこそ、かわいい我が子や愛し愛される関係性である今の妻と出会うこともでき、さらに私の両親や妻の両親との親密な関係、そして私の周りにいる大切な仲間との濃い関係性を築くことができていると思っています。
「みんな違ってみんないい」
よく言われている言葉です。
私は、一般的(多数派・普通)なことを必要以上に追い求めていたため、性同一性障害の中でも、少数派の考え方や体験が多いです。
私は今まで、自分が感じたことや、自分が思ったことを大切にし、それに従い行動をしてきました。
なぜなら「私だから」体験できることであり、「私だから」感じられることだからです。
それが、たとえ皆と同じであろうとも、皆と違っていたとしても私が感じた・思ったという「事実」には変わりがないからです。
しかし、私に対して
「あなたは性同一性障害ではない」
と言われた方々の気持ちも分かります。
なぜなら、自分以外の他人が見ている世界のことは分からないからです。
それを言われた方々は、「我が子を持たない」という選択肢を自らが取り、「我が子を持たない」という世界しか分からない(「我が子をもつ」世界を知らない)から、私のことが分からないだけの話だと、後になってから分かりました。
よって、今は、当時「あなたは性同一性障害ではない」と言われた方々のことも、嫌な感じもなくなり、受け入れることが出来るようになりました。
それと同時に、学生時代に私のことをいじめたり、無視したりし、受け入れることが出来なかった方々のことも、「自分以外の世界のことは分からない」ということが腑に落ちてから、受け入れることが出来ました。
周りからは、やめなさいなどと言われ、私自身もこれを行動に移すのはどうかなと思ったことも多々ありましたが、自分の思うままに人生を歩み、その上で、相手のことも、受け入れることができるようになってからの方が、生きやすくなり、人間関係も「お互いのこと」を尊重しあえるような心地よい関係性を築き上げることができ、私の周りではこの関係性が徐々に拡大しています。
その人が辿ってきた道のり(過去)も、この「みんな違ってみんないい」の一つの根源になっているのではないかなと思っています。
なぜなら、生まれてきた環境や時間、そしてその後の人生で乗り越えてきた様々な体験やその体験から感じたことなどは、寸分の狂いもなく、全く同じタイミングで同じことを経験し、かつ感じている人は、自分以外の人ではこの世に存在しないからです。
葛藤しながらでも、過去に乗り越えてきたこと、一つひとつ全てのことが、今この瞬間の宝となっているなとも、私は感じています。
怖いながらも勇気をもって行動し、一つひとつ乗り越えてきたことがあることに気づき認めて(受け入れて)いくことにより、私自身の未来(将来)を切り拓いていく「勇気と自信」へと変わっているからです。
当法人が目指すことの一つに、差別のない社会があります。
この差別がなく、皆が生きやすい社会になるためには、
一人ひとりが
「自分の人生を自ら選び歩んでいく」
ことも大切なのではないかなと思います。
なぜなら、
自分の人生がかけがえのないものだと体で感じることができたら、
自分以外の人の人生も大切なものだと想うことが出来るからです。
「自分自身が生まれ持ったもの」を変えることはできません。
でも、その自分自身に課された宿命みたいなもの(私の場合、性同一性障害であるということ)を糧として、自分自身の人生を切り拓いていくことは可能です。
また、
「自分自身の体が感じたこと(感じてしまったこと)」
も変えることは出来ません。
もちろん、自分が感じたことは、大切にしなければならないことです。
しかし、その感じたこと自体が、今まで自分が見てきた「狭い」世界のことをベースとして感じてはいないかを、一度見て(疑って)欲しいのです。
LGBTQのことや、他の差別的なことへの正しい知識を付けていくことは大切です。
しかしながら「多様性」の時代となり、知識だけでは追いつかないぐらいの多種多様に及ぶ個性的な方々(一般的ではない方)が、多くなってきている現実もあります。
だからこそ、少数派である色々な方々の体験談などを聞き、自分が見てきた世界「以外のこと」があるんだと、沢山感じることが大切なのです。
それは、差別解消の目的ももちろんありますが、自分の見てきた世界がいかに狭かったかを感じることにもなり、その狭い中での選択肢で自分の人生を歩んできたことにも気づくことにより、もっと別の選択肢が自分の人生にはあるのではないかという意識に変化させることで、自分自身の未来への可能性が無限に広がっていくからです。
当法人のLazo(ラソ)という名称には「絆」という意味があります。
「多様性」の時代だからこそ、一人ひとり違った考え方や物の見方であることが、分かりやすくもなりました。
私と同じ性同一性障害の当事者であったとしても、当事者ではなかったとしても、当たり前ですが違う人間です。
それは、同じ体験をしたとしても、感じ方や体験をした時期などが、人それぞれ違うからです。
自分以外の方々の辿ってきた道のりや、考え方などを聞き、
「そんな考え方や生き方があるのか」
と、まずはその人のことを「知る」ことにより、自らのこれからの生き方や選択肢が増え、未来への希望を持つことができ、より生きやすくなるのではないかなと思っています。
だからこそ、少数派を含め、自分以外の人のことを「知る」機会や、話し合いの場などを持ち、人と人との繋がりを感じ、絆を深め、自らの人生を歩むためのエネルギーに変化させることが、これからの時代をしなやかに生きていくのには必須だと思います。
しかし、あまりにも自分が辿ってきた道のりとかけ離れていたら、共感しにくく、なかなか自分の人生へ活かすことが難しいこともあるかと思います。
私は、一般を追い求め男性とも結婚し、子どもも産んだため、一般の方々も共感する「人生の事柄」が多いです。
そのため、ありがたいことに、私と出会いお話をさせていただいた方々からは、
「共感することが多くて、わかりやすいです」
「自分の人生を歩んでみたいと思います」
とよく言われます。
「自分も大事、そして相手も大事。相手を知り(受け入れ)、そして自分のことを知る(受け入れる)」
自分自身のよりよい人生を歩んでいくために受け入れていくからこそ、相手のためにもなっていくのです。
差別がなかなかなくならないのは、「私には関係ない」という意識が働いているから。
共感できることが多い私の話から、ご自身の人生の振り返りをしていただき、「自分事」として捉え、「自分と同じ人間なんだ!」と体感もしていただきます。
そして、自らの人生を歩むこと・自分の命の使い方などもお伝えしていきます。
その結果が、差別などの解消へと繋がっていくのだと、私自身が築き上げた今の人間関係の良さから確信していることです。
相手のことや自分自身のことを受け入れていくやり方、自らの人生を生きることなどを講演会や研修会(学習会)などで提供し、「お互いの違いを尊重し合える優しい世界」を創り上げ、全ての方々が生きやすく、かつ優しい世界を目指していくのが、当法人・一般社団法人Lazoの願いであり、大きな目標です。
当法人の主な活動は、
1.子ども達の命を守り、かつ支えになれるような活動。
私自身が人生で一番辛かったのが、幼少期ならびに学生時代でした。
それは、多数派の意見が正しくて、少数派である自分自身が感じていることは間違っているのではないかと思っていたからです。
そして、7年間で延べ2000名余りの方々からのお話を聞き、それらを総合的にみても、この時期に、自分自身は人と違う、多数派とは違う意見だけどそれが言えないなど、自分の個性を押し殺し、自分一人で抱え込み、辛い思いをし、それがあるために大人になっても、自分の人生を疎かにしがちになっている方が多いなと感じました。
子ども達へは、
「自分で自分の人生を考える力」
「自分自身の考えや想い、気持ちをはっきりと言える(自分はこうです。こう思っていますと堂々と言える)こと」
「自分以外の他人を尊重できること」
「自分のことを信じること」
を重点的に、伝えていきます。
これからの時代を担っていく子どもたちの命を守り、かつ、その家族や周りの大人の方々(学校の先生方や地域の方々)をサポートしていくことにより、少しでも子どもたちが未来(将来)へ明るい希望を持ち、自分の人生は自分で切り拓いていく喜びを感じられる社会を創り上げていくことを目標とします。
2.自分は一人ではないと思うことが出来る社会。
今の仕事(主にカウンセリング業)に従事し、LGBTQもそうでない一般の方々も、多種多様な悩みがあり、さらにその悩みを言えず、社会から孤立してしまっている方も多いと感じたため、「あなたは一人ではないんだよ」ということ実感してもらえる活動を展開していきます。私も自分の性のことで悩んでいた時は、一人で抱え込みつらかったです。人の温かさや愛は、自らが負った傷を癒すための特効薬ともなります。
「人と人との絆」が、いかに大切かを啓発していきます。
3.自分も大事(自分のことを受け入れていくこと)そして他人も大事(他人のことも受け入れていくこと)という世界。自分の命(人生)を大切にできれば、自分以外の人の命(人生)も大切に出来るようになります。全ての人が唯一無二の存在であり、どの命もかけがえのないものだと思える世界を作り上げることも啓発していきます。
全ての方々が生きやすい社会を目指し、日々邁進していきます。
主 な 活 動
1.講演会
学校(児童・生徒・PTA・教職員)・官公庁職員研修・企業・地域・公民館・サークルなどでの講演会を、全国対応にて行います。
主な講演実績など
大阪市内中学校講演
東京サンクチュアリ出版社講演
鳥取、大阪、兵庫、東京、広島、愛知、島根、愛媛、石川などでの講演会(命、自分らしく生きる、パートナーシップなど)、ワークショップ、LGBT勉強会など多数
日本海新聞、LGBTERにて取材、掲載
講演会のお申し込み&お問い合わせなどは、こちら
2.当事者並びに当事者家族などのサポート
「その立場に立たないと、気持ちは分からないし共有できない」
当法人の代表理事は、性別変更後、戸籍上の婚姻関係も結び、さらに、両家の両親や親族とも風通しの良い関係性を築き上げています。
代表理事の両親、兄弟や、代表理事・妻の両親、兄弟などもご紹介し、その立場でないと分からない悩みなどを共有し、一家総出でフォローいたします。
一人だけ、家族だけで悩まず、まずは一度お問合せください。
当事者家族並びに
当事者家族などのサポート
のお問い合わせなどは、こちら
3.同性婚(婚姻届を提出しての結婚)の実現
現在、同性同士において、一般の方と同じように婚姻届を出しての結婚は、法律上認められていません。
パートナーシップ制度は、少しずつ自治体に取り入れられ、選択肢は増えてきていますが、それでも一般の方と同じように、婚姻届を出すことによる結婚を望んでいる当事者も多いです。
婚姻届を出す結婚を望んでいるのに、それがLGBTQ(性的少数者)という自分の力ではどうすることも出来ないことで制限されてしまうのは、同じ人間として生まれて来ているのに理不尽であると思っています。
「結婚の自由は、人として生まれてきた全ての人が持つべきである」
この想いを達成すべく、啓発活動を行っていきます。
4.本の出版、パンフレット、SNS以外での人権啓発運動
2023年12月に、代表理事初の出版となる「ヒゲ面の元ママ~お互いの違いを尊重し合える優しい世界の形~」を発刊しました。
「自分の人生を考えるきっかけとなった」「お互いの違いを尊重し合うことがどういことか分かった」「どんな自分も認めてあげる。今できる目の前のことをやって行く。感謝するなど・・・。これらを行っていけば、差別や争いはなくなっていくということがよくわかった」など、多方面より本を読まれたご感想をいただいています。
当法人では、健常者も障がい者も「お互いの違いを尊重しあえる優しい世界」を創り上げるための啓発運動を、SNS環境以外の紙媒体やメディアなどでも行っていきます。
代表理事の出版本は、↓こちらからご購入できます。
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